新型コロナウイルスの影響は様々な業界に及んでいますが、特に大打撃を受けているのが航空会社。
残念ながら、事業撤退や経営破綻、運航停止に陥ってしまった航空会社をまとめました。
コロナの影響を受ける航空会社。なくなってしまう航空会社も。
新型コロナウイルスの影響により、航空需要が大きく落ち込んだため、各国の航空会社の経営が悪化しています。
一部路線の運休や路線廃止で踏みとどまっている航空会社がある一方で、事業撤退・廃止、経営破綻、運航停止となってしまった航空会社があります。
今後の運航復帰の難易度の高さという観点で見ると、「事業撤退・廃止>経営破綻>運航停止」という順になるかと思います。
事業撤退・廃止した航空会社
事業撤退・廃止は、いわゆる店じまいです。
買収先は探さず、運営会社自体を精算に向けて動いている航空会社です。
アリタリア航空

イタリアの航空会社のアリタリア航空。
スカイチームに所属していて、、ローマ教皇の外遊時にはチャーター便を運航するなど、イタリアを代表する航空会社でした。
慢性的な経営不振にコロナの影響が決定打となり、2020年4月23日にイタリア政府により国営化が発表されました。
後続の航空会社として誕生したのは、「ITA(イタリア・トラスポルト・アエレロ:Italia Trasporto Aereo)」。
2021年10月15日から運航開始しています。
ただ、アリタリア航空の路線・サービスがすべてITAに受け継がれている訳ではなく、今後ITAがスカイチームから脱退する可能性もあるようです。
経営破綻後再生中の航空会社
経営破綻は資金繰りができなくなり、いわゆる倒産です。
経営破綻後、買収先を探したり、国の支援を受けて再生をしている航空会社です。
ヴァージン・オーストラリア航空

ヴァージン・オーストラリア航空は、オーストラリアの航空会社です。
2020年4月、ヴァージン・オーストラリア航空は、任意管理手続きの適用申請を決め、経営破綻しました。
2020年6月アメリカのベインキャピタルに買収されることが決まり、8月から会社再生中です。
ヴァージン・オーストラリア航空は、日本には就航していませんでしたが、ANAと提携して日本路線に参入予定でした。再生後に日本就航するかは不明ですが、現在は計画凍結中です。
タイ国際航空

タイ国際航空は、タイのナショナルフラッグシップキャリア。タイ航空と呼ばれることが多いです。
タイ政府系の航空会社でしたが、2020年5月に国からの出資を減らして民営企業という位置づけにして、破産法に基づく会社更生手続きを申請し、経営破綻しました。
日本には、タイから羽田・成田、関空、セントレア、福岡など全国各地に就航していました。
現在、航空便は運休しているものの、事業継続しながら経営再建中です。
資金不足のほか、汚職や残業手当の不払いなど不正が明るみに出たので、今後の先行きが不安です。

タイ国際航空には、チェンマイ、プーケットなどタイ国内やラオス、ミャンマーなどのタイ周辺諸国に行く際に、何回もお世話になりました。
LCC路線に客足を取られていたとはいえ、まさかここも、という感じでした。
LATAM航空

LATAM航空はチリの航空会社です。
2020年5月にアメリカに連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻しました。
中南米に関連子会社の航空会社が多数あります。
現在、LATAM航空はカタール航空などの株主からつなぎ資金を確保しながら、再建計画中です。
LATAM航空は4月末にワンワールドを脱退したばかり。
スカイチームに所属するデルタ航空のLATAM航空の株式獲得割合が増えたことで、スカイチームへの所属が予想されていました。
今後の再建主導をワンワールド所属のカタール航空が行うなら、アライアンス加盟の方針も変わるかもしれません。
アビアンカ航空

アビアンカ航空はコロンビアのフラッグシップキャリア。
現存する航空会社で2番目に古い航空会社でもあります。
スターアライアンスに所属しています。
アビアンカ航空は2020年5月、アメリカに連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻しました。
日本には就航しておらず、南北アメリカ大陸の各国に就航しています。
アエロメヒコ航空
アエロメヒコ航空は、スカイチームに所属するメキシコの航空会社。
スカイチーム所属ですが、JALとコードシェアを行っています。
2020年6月30日、アメリカに連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻しました。
現在は事業継続しながら、経営再建中です。
アエロメヒコ航空は、日本には成田空港に就航していますが、11月末までの運休が発表されています。また、現在Webサイトからの航空券予約ができません。
エアアジア・ジャパン

日本の国内線のLCC エアアジ・ジャパン。
2020年10月にエアアジア・ジャパンは事業撤退を発表していましたが、11月に経営破綻となりました。2020年12月5日に日本路線の運航廃止予定です。
エアアジア・ジャパンは、マレーシアに拠点を置くLCC エアアジアを親会社とする航空会社。
エアアジアの日本拠点法人の撤退は2度目です。
1度目の撤退後、運営法人が変わっており、3度目の再編はコロナが落ち着いても難しいと思われます。エアアジア自体は事業継続します。
イースター航空

イースター航空は韓国のLCCです。2021年1月14日に会社更生手続きを申請しました。
日本には、2011年に新千歳に初就航後路線を増やし、成田、羽田、関西、新千歳、茨城、福岡、宮崎、鹿児島、那覇に就航していましたが、2020年3月以降新型コロナウイルスの影響で全路線運休していました。
韓国のLCC チェジュ航空が買収を検討していたようですが、計画が中止になってしまったようです。
フィリピン航空

フィリピン航空は、フィリピンのフラッグシップキャリア。
日本にも就航していて、マニラやセブ島と日本各地の空港を結んでいます。
2021年9月4日に、アメリカ連邦破産法11条(チャプター11)の適用申請しました。
今後運航を続けながら、経営再建予定です。
日本路線は比較的収益率が高い路線が多く、維持が予定されています。
運航停止した航空会社
運航停止中の航空会社です。
今後の航空需要の回復によっては、運航再開する可能性があります。
タイガーエア・オーストラリア

タイガーエア・オーストラリアは、ヴァージン・オーストラリアグループの傘下のLCCです。
親会社のヴァージン・オーストラリアの経営破綻により、2020年8月、再建計画の中で、タイガーエア・オーストラリアは運航停止が決まりました。
今後航空需要が復活した時に備え、航空運送事業許可は維持します。オーストラリアは国土が広いので、都市間は飛行機で移動することが主流。
コロナが落ち着いたら、復活する可能性はありそうですね。
キャセイドラゴン航空

2020年10月、キャセイドラゴン航空の運航停止が発表されました。
キャセイドラゴン航空は、キャセイパシフィックグループの航空会社。拠点の香港から中国・近隣のアジア各国に運航路線がありました。
日本には、香港から福岡空港、徳島空港に就航していましたが、現在運休中でした。
キャセイドラゴン航空の路線は、同じグループのキャセイパシフィック航空と香港エクスプレスに集約されます。
キャセイドラゴン航空自体は、今後ブランド廃止の可能性もあります。

以前、セントレアからマレーシアに直行便が飛んでいないので、
香港ークアラルンプール間でお世話になりました。
LCCではないので、キャセイ同様のサービスでした。
まとめ
事業撤退や経営破綻、運航停止に陥ってしまった航空会社でした。
他にも大小様々な航空会社が経営難に陥っています。
過去お世話になった航空会社や、乗ったことはないけれど空港で飛行機をよく見かけた航空会社がなくなってしまうと寂しい気持ちになります。
残念ながら、まだ誰もが飛行機に気軽に乗れる状況ではないので、航空需要も回復していません。
安心して旅行に行けるようになったら、飛行機に乗って応援したいですね。
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